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HOME > 唐津焼のこと > 岸岳古窯跡群

 岸岳古窯跡群の起源については諸説ありますが、現在の研究では、文禄・慶長の役に先立ち、上松浦党の盟主である波多氏が、朝鮮半島から陶工を呼んで1590年代に開窯したと考えられています。このため岸岳古窯跡群は、唐津焼の源流であるだけではなく、日本最古の登り窯群という高い評価を受け、平成17年には国の史跡に指定されています。

 北波多村教育委員会では、その構造を把握すべく平成9年度より合計5基の発掘調査を実施しましたが、これらの5基の諸特徴を比較すると、おおむね3つのグループに分類できます。

 その第1は皿屋窯および帆柱窯で、主に藁灰釉の食器を焼成し、窯の勾配角も20度以上と急傾斜地に築かれています。
第2は飯洞甕上窯・同下窯で、主に土灰釉の食器と貯蔵具を焼成し、窯の勾配角も16度前後と比較的緩やかです。

 以上の4窯は割竹式登窯とされていますが、第3の皿屋上窯は、無段単室の窯で甕・壷などの貯蔵具のみを焼成しており、肥前古窯全体の中でも特異な位置を占めています。

飯洞甕窯跡出土彫唐津碗

飯洞甕上窯跡
皿屋窯跡出土遺物
飯洞甕下窯跡
皿屋上窯跡出土遺物