井手俊郎氏は、映画「青い山脈」を始め、数多くの名作映画やテレビドラマの脚本を手がけた、唐津市北波多徳須恵出身の脚本家です。
明治43年4月11日に北波多村徳須恵で生まれ、生家は「門屋」と呼ばれ、質屋を営んでいました。一時期、旧佐賀銀行徳須恵店に在った家に住んでいたこともあります。
・北波多小学校卒業(大正11年)
・旧制唐津中学卒業(昭和3年)、現在の県立唐津東高校。
・旧官立東京高等工芸学校工芸図科卒業、現在の国立
千葉大学工学部意匠科。
卒業後、フリーで雑誌の表紙画などを画いていましたが、若手の映画プロデューサーとして令名のあった藤本真澄氏(後、東宝専務)の知遇を得て東宝に入社します。
各地に東宝の初期の直営館の設立に当たり、博多の東宝直営館の支配人なども歴任しました。
昭和19年8月に久留米四八連隊に入隊し、司令部情報班に所属。昭和20年9月に復員。
戦後、東京に戻り東宝に復帰。昭和23年頃、ピンチヒッターとして書いた「青い山脈」が意外に評判になり、以後シナリオライターとして身を立てました。
主な作品に映画「めし」、「三等重役」、「にごりえ」。「妻」、「警察日記」、「洲崎パラダイス 赤信号」、「伊豆の踊子」、「放浪記」、「江分利満氏の優雅な生活」、「海峡」、「挽歌」など、テレビドラマ「青春とはなんだ」、「信子とおばあちゃん」など。
平成22年には、地域の活性化と郷土の伝統産業である唐津焼の発展を目指し、井手俊郎氏の生誕100周年記念事業として「唐津焼の里映画祭」が開催されました(平成24年まで3回開催)。