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HOME > 窯元めぐり > 岸岳窯三帰庵

唐津焼の魅力を伝え
地域を興し続ける



 冨永 祐司 Tominaga yuji

  唐津市北波多岸山154
  TEL:0955-64-2123(※要連絡)

三帰庵に帰って

三代目を継ぐ

 岸岳ふるさと館から車で数分、周囲を里山の緑に囲まれた三帰庵は、祖父の代から約80年続くという、北波多では最も歴史の長い窯元です。「三帰庵」の名前の由来は仏教の「三回帰依する」という教えにちなむもの。その三代目、長男として生まれた富永氏は福岡の大学に進学しましたが、父の急病を機に20歳の時に北波多に帰郷。その後は祖父の仕事を詳細に観察しながら技術を学び、復帰した父も含め親子三代で窯を盛り立ててきました。

 作風は唐津焼発祥の地という歴史を受け、斑・朝鮮・絵唐津など伝統的なものが中心。しかしながら「使う人の生活に合わせるのか、自分の作品に合わせていただくのか、その見極めも肝心」といい、けして自らの好みを押し付けはしません。例えば、同じ岸岳の土を使っても、茶陶などには独特のざらりとした砂で個性を出す一方、洋食器等には目を細かくしてテーブルの傷つきを防ぐなど、柔軟な姿勢を持っています。

房に向かう小径には、看板や焼物が配され訪問者を楽しませます。

焼物から始まった

地域への思い

 自らの技術はあまり語らない富永氏ですが、唐津伝統の「叩き」技法を駆使した大物作りには定評があります。多彩な作品の展示・販売先は自ら立ち上げに関わった「岸岳ふるさと館」ほか「ふるさと会館アルピノ」や工房での直売など。ぜひ立ち寄ってその手触りを感じてください。

 一方で富永氏は、長年唐津・北波多地区の地域づくりも深く関わってきました。現在北波多の四軒の窯元でつくる「岸岳系唐津焼協議会」の会長をはじめ、唐津焼協同組合、商工会、唐津観光協会など数々の団体の役職を兼務。「岸岳ふるさと館」の立ち上げや数々のイベント企画にも深く関わり、地域の発展に尽力しています。富永氏の焼物と地域づくり双方への挑戦は、これからも続いていくことでしょう。