知るほどに「面白い」
唐津という焼物
古窯の森公園に向かう波多八幡神社のすぐそば、皿屋窯跡に隣接するようにある窯元が杉谷窯異中庵。窯の名は古い地名の「杉谷」と中国のことわざに由来したもので、先代の父上が名付けました。賑やかな唐津の町中に育った夏秋氏は、父の苦労を見ていたため一時は焼物が嫌で家を出ましたが、やがて戻って跡を継ぎ、以来焼物一筋に生きてきたそうです。土も釉薬も
できるだけ自作
夏秋氏の作る唐津焼には、日常使いの器でも古唐津の伝統が息づいています。自ら歩いて探した岸岳独特の砂岩質土を使うのはもちろん、釉薬も刈入れの終わった田んぼを借りてわら灰釉を作るなど、できるだけ昔の製法に迫る努力を怠りません。ろくろは電動を使いますが高台だけは蹴ろくろで削り、2〜3ヶ月に一度は登り窯に火を入れて徹夜で薪をくべ続けます。