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愛好家の熱視線を集める
謙虚な焼物職人



 浜本 洋好 Hamamoto Hiroyoshi

  唐津市北波多稗田3111-113
  TEL:0955-64-3730(※要連絡)

古唐津を学び

斑唐津の名人に

 岸岳の山すそ、古窯跡が点在する北波多稗田で三里窯を主催するのが浜本洋好氏。1938年に唐津市で生まれ、高校卒業後10年間ほどは市内の土木建築会社で働いていました。その間、骨董好きの知人の縁で唐津焼の魅力に引き込まれ、いつしか自身も修行の道へ。恵日窯、大杉皿屋窯で13年間の修行の後、独立して窯を築きました。 その際に造ったのが400年前の古唐津と同じ「割竹式」の登り窯。火の回りが速く扱いが難しい反面、強く速い炎により初期唐津に近い焼き色が出せるといいます。

 そして何よりこの場所に窯を開く拠り所になったのは、岸岳特有の粒子の粗い砂目の粘土。さらにその土に合う藁灰釉を求めて試作を繰り返した結果、浜本氏独特の深い味わいを持つ「斑唐津」が生まれました。

浜本氏が得意とする斑唐津の茶碗。

朝鮮唐津の陶板も定評があります。

ただ職人として

唐津を伝えたい

 浜本氏の用いる藁灰釉は、一般的な水稲ではなく、わざわざ釉薬のために作ってもらった昔の品種のもち米から作られます。 そうして土も釉薬も登り窯も、自らの目で選び、手間を費やして作る浜本氏の焼物はやはり本物。窯出しの日はどこから聞きつけたのかバイヤーや愛好家が集まり、次々と売れていくそうです。

 現代唐津焼を代表する作家となった浜本氏ですが「おいは芸術家じゃなか。職人たい」と口ぐせのように言い、けして奢ることはありません。茶陶のほか、酒器や重ねがきいて使いやすい平皿なども数多く手がけ、「唐津焼を日常使いで楽しんでもらいたい」と言います。 唐津市内に浜本氏の作品を置く店は少ないですが、個展のほか窯元での直売も行っています。ご希望の方は一度連絡の上お訪ねください。気さくな浜本氏の唐津焼談義が楽しめるはずです。

重ねがきいて使いやすい斑唐津の食器。